石川地方の自由民権運動

石川地方の自由民権運動

今から百四十年前、日本は江戸時代から明治時代という新しい時代に大きく変わりました。新しい世の中になって、士農工商の身分や職業、居住の制限から自由になりましたが、政治は一部の人たちによる藩閥政治でした。
そのため、国民が自由に代表を選び、議会を開き、国民による政治を実現しようと、政府に国会の開設と憲法の制定を要求する「自由民権運動」が起ります。自由民権運動は、たちまち全国に広がり、大きく盛り上がります。 政府はこの盛り上がりに危機を感じ、弾圧を行います。しかし、遂に、明治22年(一八八九)帝国憲法を発布し、翌年国会を開催します。ここに近代日本の政治的な基礎がつくられ、現代に引き継がれています。
石川地方の人々は、この自由民権運動にいち早く参加し、大きな役割を果たします。最初に始めたのは高知県の板垣退助らですが、東北では最初に石川地方で始められました。当時石川区長であった河野広中を中心にしながら、地元から神官、元庄屋、医者、教師、豪農、村役人などの人たちが多く参加しました。